年金と併用もできる!正しく知って備えよう
はじめに|生活が苦しいとき、あなたは誰に頼れますか?
年金も少ない、貯金もほとんどない。
中高年世代にとって、将来の生活への不安はどんどん大きくなっています。
特に60歳を超え、働き口を失ったときに頼るものがなかったら・・・?
そんなとき、最後の命綱となるのが「生活保護制度」です。
でも――
「恥ずかしい」「迷惑をかける」「自分には関係ない」と思っていませんか?
本記事では、生活保護制度の基本的な仕組みや申請の条件、年金との併用パターンまでをわかりやすく解説します。
誰にでも“もしもの時”は訪れます。 いざというときのために、「知っておくこと」から始めましょう。
生活保護とは?最低限の暮らしを守るセーフティネット
生活保護は、日本国憲法25条に定められた「生存権」を守る制度です。
すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
生活保護は、収入や資産が少なく「最低生活費を下回る生活しかできない人」に対し、国や自治体が必要な支援(お金やサービス)を提供する仕組みです。
支給されるものは以下の通り:
• 生活扶助(食費・衣類・日用品)
• 住宅扶助(家賃)
• 医療扶助(医療費無料)
• 介護扶助(要介護者向け)
• 教育扶助(子どもがいる世帯向け)
• 出産・葬祭扶助
つまり、生活保護は「単なる現金支給」ではなく、生活全体をトータルで支える制度なんです。
「生活保護は恥ずかしい」・・・それは誤解です
多くの人が生活保護に対して「甘え」「ずるい」といった偏見を持っています。
でも、実際の受給者の多くは――
• 一生懸命働いていたけど病気になった人
• 定年退職後、年金だけでは暮らせない人
• 配偶者に先立たれ、孤立した高齢者
こうした**“真面目に生きてきた人”**たちなんです。
生活保護は「ズルをする人のため」ではなく、
今この瞬間、生きることが難しい人を守るためにある制度です。
生活保護を受けるための条件とは?
生活保護にはいくつかの受給条件があります。主に以下の3点がポイントです。
1. 資産がないこと
• 貯金や不動産がある場合は、それを生活費に充てることが優先されます。
• ただし、すぐに売れない持ち家や車などは例外になることもあります。
2. 働けない or 働いても生活できないこと
• 働ける年齢・体力がある人は、就労を前提に支援が行われます。
• パートやアルバイトで収入があっても、最低生活費を下回っていれば支給対象になる場合も。
3. 身寄りがなく、援助が受けられない
• 親族から援助が得られないことも条件になります。
• ただし、「援助のお願いをして断られた」実績があればOKです。
申請の流れと必要な手続き
生活保護は、住んでいる地域の福祉事務所で申請します。
手続きの流れは以下の通りです。
【生活保護の申請手順】
1. 福祉事務所に相談(電話・訪問)
→「生活が苦しい」と伝えればOK!
2. 面談と生活状況の聞き取り
→ 収入、支出、家族構成、健康状態などを確認
3. 必要書類の提出
→ 通帳、年金手帳、住民票、家賃契約書など
4. 家庭訪問・資産確認(必要に応じて)
5. 審査(通常2週間〜1ヶ月)
6. 支給開始・口座振込開始
年金を受け取っていても生活保護は受けられる?
「年金をもらっているから生活保護は無理」と思っている人も多いですが、これは完全な誤解です。
生活保護は、最低生活費に満たない分を補填する制度なので、年金を受け取っていてもOK!
【例:年金受給と生活保護の併用パターン】
• ある地域の最低生活費(ひとり暮らし)・・・12万円
• 年金受給額・・・月5万円
→ 差額の7万円が生活保護で支給される
このように、「足りない分」だけを補ってくれるのが生活保護です。
そして、医療費や介護費も保護対象なので、医療負担ゼロという大きな安心があります。
年金+生活保護=安心の老後?
実際、年金だけでは生活できない高齢者が生活保護を受けて暮らしているケースは増えています。
特に国民年金だけの方(平均月額5〜6万円程度)は、支給額が少なすぎて生活できないのが現実。
生活保護は働いてきた人・年金を納めてきた人を見捨てない制度でもあるんです。
生活保護を受けることに迷いがあるあなたへ
「生活保護を受けたら周囲に知られるのでは?」
「役所に行くのが怖い・・・」
「まだ自分は我慢できるし・・・」
そんな風に思って、限界まで耐えてしまう方がいます。
でも――
本当に苦しいのは「助けを求められないこと」ではないでしょうか?
福祉事務所の職員も、決して冷たくはありません。
事情をしっかり話せば、きちんと向き合ってくれます。
そして何より、生活保護は**「あなたが生きる権利を守る制度」**です。
まとめ|生活保護は“恥”ではなく、“希望”です
• 誰でも、生活に困ることはあります
• 生活保護は、「人として最低限の暮らしを守る」ための制度です
• 年金を受け取っていても、支給対象になる可能性は十分あります
• 一人で抱え込まず、まずは福祉事務所に相談してみましょう
あなたは、もしもの時に「助けて」と言えますか?
その一言が、人生を守る第一歩になるかもしれません。