湿原と海と夕日に癒される二日間
はじめに:釧路は、心が静かにほどける場所
北海道の東側に位置する釧路(くしろ)は、「霧の街」と呼ばれる幻想的な港町。
広大な湿原と、静かに広がる海、世界三大夕日のひとつとも称される夕暮れ。
この街の魅力は、都会の喧騒を離れて“深呼吸”したくなるような、そんなやさしさにあふれています。
今回は、筆者と彼女が初めて訪れた釧路の二日間を、旅の情景とともにお届けします。
「忙しい毎日をちょっとだけ忘れて、ふたりでぼんやり過ごす旅」──そんなテーマにぴったりの場所でした。
釧路湿原|静寂と生命が交差する場所で、ふたりだけの時間を
釧路駅から車で20〜30分、細岡展望台に立つと、目の前に広がるのは日本最大の湿原。
どこまでも続く緑の帯、ゆるやかに流れる釧路川、その向こうに遠く霞む山並み。
その景色を見た瞬間、彼女は「わぁ・・・ここだけ時間が止まってるみたい」とつぶやいた。
展望台を降りた後、ふたりでカヌー体験にも挑戦。
水面に浮かびながら聞こえるのは、風の音と鳥のさえずりだけ。
「喋っちゃうのがもったいないね」
そんな風に笑い合える静けさって、すごく贅沢だと思った。
▶️ おすすめスポット:細岡展望台、カヌー体験(ガイド付き)
▶️ カヌー料金:約5,000〜6,000円(90分)
▶️ 所要時間:約2〜3時間(移動含む)
和商市場|自分だけの“勝手丼”で旅の醍醐味を味わう
釧路駅のすぐそばにある和商市場。ここでは“勝手丼”という、白ごはんに好きなネタをのせていくスタイルが名物!
彼女と市場をぐるぐる回って、
• 大ぶりのホタテ
• つやつやのイクラ
• トロけるウニ
• 炙りサーモン
・・・を選びながら、「そっちのほうが美味しそう〜!」「私の方が映える丼になったでしょ?」と笑い合う時間。
自分で選んだ海鮮をのせた丼を食べるのって、ちょっとした「旅のご褒美」だと思う。
▶️ 営業時間:8:00〜18:00(時期により変動)
▶️ 勝手丼の相場:1,200〜2,000円(ネタにより変動)
幣舞橋の夕日|世界三大夕日、その理由が分かった瞬間
「釧路に来たら、絶対見てほしい」と言われた幣舞橋(ぬさまいばし)の夕日。
夕方5時前、ふたりで早めに川沿いのベンチを確保。
徐々に空の色が変わり始めて、
オレンジが濃くなって、ピンクが混じって、
ついには海と空の境界が消えていった。
「こんなきれいな夕日、生まれて初めて見たかも」
彼女がそんなことを言うから、思わず手をぎゅって握った。
▶️ ベストタイム:日没30分前からスタンバイ
▶️ 所要時間:1時間くらい、ベンチに座ってのんびりと
釧路市動物園|ほっこり癒される午後のひととき
2日目の午後は、ちょっと気分を変えて釧路市動物園へ。
園内は広々していて、動物との距離感がすごく近いのが印象的。
特に彼女が夢中だったのは、レッサーパンダの木登り。
「うわ〜っ、かわいすぎる〜!」って、10連写くらいしてました(笑)
のんびり歩いて、動物と向き合って、ちょっとアイス休憩して・・・。
こういう“余白”がある旅って、最高の贅沢だと思う。
▶️ 入園料:大人580円
▶️ 営業時間:9:30〜16:00(季節で変動)
阿寒湖温泉|旅の終わりに静けさと癒しを
釧路市街から車で約1時間。阿寒湖温泉は、透明感ある湖と深い森に囲まれた、静寂の中の温泉地。
温泉宿の露天風呂から眺める湖面の揺らぎに、ふたりで何も話さず、ただ時を過ごす。
夜は地元食材の和会席。
翌朝は湖畔を少しだけ散歩して、マリモのショップでおそろいのキーホルダーを買った。
「また、こういう旅ができたらいいね」
その言葉が、今回の旅のすべてだった気がする。
▶️ 宿泊相場:1泊2食付き 12,000〜20,000円/人
▶️ アクセス:釧路駅から車で約1時間
考察:旅がくれる、“何もしない”という贅沢
この釧路旅で感じたこと。
それは「何もしない時間」が、いちばん大切かもしれないってこと。
ふたりで話さずに景色を見たり、風を感じたり、夕日に見とれたり。
日常ではなかなかできない“間”を釧路はくれた。
旅は派手じゃなくていい。
誰とどこで、どんな気持ちで過ごすか。
それが一番の贅沢なんだと、釧路が教えてくれました。