歴史街道と癒しの温泉を歩く2日間
はじめに|静けさの中に、再起動のヒントがあった
山形・銀山温泉から車を走らせて、私たちが次に向かったのは福島県。
福島と聞くと、大都市や温泉も思い浮かぶけれど、今回選んだのは歴史と静けさに包まれたエリア。
会津若松と大内宿を巡る2日間は、「時間がゆっくり流れる旅」。
現代の便利さから少し離れて、江戸の風情に触れたり、昔ながらの街並みを歩くことで、 私たちの心はじんわりとほぐれていった――。
1日目:会津若松|歴史の重みと優しさにふれる
鶴ヶ城|赤瓦が誇り高く、美しい
最初に向かったのは会津のシンボル「鶴ヶ城」。
白壁に赤瓦が映えるその姿は、想像以上に堂々としていて美しい。
中に入ると、戊辰戦争の記録や、会津藩の歴史資料が丁寧に展示されていました。
階段を登りながら、彼女が「こういうの、歴史の教科書で習ったよね」ってぽつり。
でも実際に見ると、教科書じゃ伝わらない“重み”がありました。
展望フロアからは、会津の町並みが一望でき、
風が静かで、どこか切ないような、でも優しい空気が流れていました。
七日町通り|ノスタルジックな街歩きとカフェの時間
お城のあとは、城下町・七日町通りへ。
明治や大正の香りが残るレトロな建物が並び、まるで時代をタイムスリップしたよう。
「雑貨屋さんかわいい!」「この蔵のカフェ、入りたい!」って、彼女は大はしゃぎ。
私もつられて、懐かしい駄菓子屋や会津塗の工房を覗きながら、
童心に帰ったみたいにのんびり歩くのでした。
カフェに入って、名物の「くるみゆべし」付き抹茶セットを注文。
静かな店内に、彼女の笑顔と抹茶の香り。
そんな何気ない時間が、旅の記憶の中で一番深く残っていくのかもしれない。
東山温泉|夜の静けさが心にしみる
宿泊先は、会津若松から車で約15分の「東山温泉」。
渓谷沿いにあるこの温泉地は、湯の香と川のせせらぎが心をとろけさせてくれる。
夕食には福島名物・こづゆや馬刺しが並び、地酒をちょっとだけ。
露天風呂に浸かりながら、「この静けさが好きだなぁ」って、彼女がぽつり。
にぎやかじゃなくていい。豪華じゃなくてもいい。
心がほどけていくような夜が、ここにはあった。
2日目:大内宿|江戸の時間が残る場所
翌朝、私たちは会津鉄道に乗って「湯野上温泉駅」へ。
そこからバスで約20分、大内宿へと向かう。
茅葺き屋根の宿場町|時間が止まったような風景
バスを降りて歩き始めた瞬間、まるで江戸時代にタイムスリップしたようでした。
両脇に並ぶ茅葺き屋根の建物、その奥に連なる山々、砂利道。
朝のうちは観光客も少なくて、ほんとうに静か。
聞こえるのは、鳥のさえずりと足音だけ。
彼女と手をつないで歩きながら、何度も「すごい・・・」と声を漏らした。
「ここはもう、時間が流れてないみたいだね」
そう言った彼女の横顔を見て、
日々の忙しさの中で、こういう“間”が必要なんだなってしみじみと痛感。
名物「高遠そば」でほっこり昼食
大内宿といえば名物「高遠そば」。
長ネギ1本を箸代わりにして食べるちょっと変わったスタイルで、彼女と大笑いしながら食べた。
そば自体も風味豊かで、出汁もさっぱりしていて美味しい。
古民家のようなお店で、囲炉裏の温もりに包まれながら食べるお昼ごはん――
これも旅の醍醐味だなぁとしみじみ。
アクセス・費用まとめ
• 東京から:新幹線+在来線で会津若松へ(約3時間)
• 大内宿へは湯野上温泉駅からバスまたはレンタカー利用
モデル予算(2名)
• 交通費:往復約25,000円
• 宿泊費:15,000〜20,000円(1泊2食付き)
• 観光&食事:10,000円前後
合計:およそ50,000〜55,000円程度
旅を終えて|静かな時間は、心を整える
観光地としての派手さはないけれど、
福島には「心が整う」静かな力がありました。
鶴ヶ城で感じた歴史の重み。
七日町通りで味わった懐かしさ。
大内宿で見た、まるで止まったかのような時間。
便利さに慣れすぎた私たちが、
忘れていた“何か”に触れたような気がした旅でした。
まとめ|心がほどける、福島の再起動旅へ
• 会津若松の歴史と風情は、心に静かな火を灯してくれる
• 大内宿の町並みは、日常を忘れさせてくれる癒しの空間
• 静けさの中にこそ、自分を見つめ直す時間となりました。